A Choral Piece "Ima (This Moment)"

 for SA/SAB/SATB Chorus and Piano

合唱曲「いま」

 同女声二部、混声三部、混声四部(ピアノ伴奏)

Text and Music by Kentaro Sato (Ken-P)

作詞・作曲 佐藤賢太郎(Ken-P)

Mixed Chorus ver. (同女声二部・混声三部混声四部版)

 本楽曲の混声三部版は「いつかこの海をこえて<新・中学生のクラス合唱曲集>」(音楽之友社・編)に収録されています。(ISBN:978-4276921542)

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いま [Ima (This Moment)]

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Text/歌詞

日本詩 / Japanese Lyrics

- いま -

 

夕焼けの中 優しく響く

いつものチャイム

遠くに響く「さよなら」の中 

いつもの教室で あしたを見つめる君の横顔

 

いつからだろう 君との時間が始まったのは

名前を呼べば 笑顔が振り返る

いま 君の笑顔を感じる奇跡を

大切に抱きしめた

 

夕焼けに染まる帰り道 

いつもの十字路 いつもの「またね」

静かに沈む夕日におされ

いつもの場所で あしたに向かって別れる二人

 

いつからだろう 君との時間が始まったのは

気がつけば 肩を並べて歩いていた

いま 君の背中を見送る奇跡を

大切に抱きしめた

 

いつまでだろう 君との思い出が続くのは

気がつけば 

過ぎていく時間 止まらない時計

いつかきっと この時を 

抱きしめる日がくるだろう

そんな日がくるだろう

 

だから

大切に抱きしめる

「いま」という奇跡を


 

English Translation / 英語訳

- This Moment-

 

In the dusk,

the same old bell rings.

In echoes of distant “good-byes,”

you look at tomorrow from the same old classroom.

 

When did our time together begin?

You always smile at me when I call you.

I cherish this moment:

the miracle of seeing your smile.

 

In the dusk, on the way home,

at the usual crossroad, there is the usual “be seeing you.”

The setting sun parts us now,

and we separate for a tomorrow.

 

When did our time together begin?

You always have walked beside me, as far back as I remember.

I cherish this moment:

the miracle of seeing you off.

 

When will our time together stay with us?

I finally realize

time flying, the irreversible clock.

I know that there will be a day

when I will hold onto this moment as a treasure.

That day will come.

 

So,

I cherish this moment:

my miracle with you.


Program Note (JPN Only) / プログラムノート

 (教育音楽掲載時のノートより)

 私は仕事柄、若者向けのアニメ・映画・ゲームなどを作る人たちと接する機会が多いのですが、彼らには創作の心構えに関して一つの不文律があります。それは「もし説教臭くなったり、若者の不安や夢を彼らの目線で見られなくなったら、若者向けの作品は作らないほうがいい」というものです。
 大人は、基本的に「あした」や、その先を見ながら行動をしています。その感覚は「いま」だけを全力で感じている子供とは違い、そして「いま」だけでなく「あした」を見定めていかなければいけない時が近づいている思春期の若者とも違うのです。
 この「いま」という作品は、そんな「いま」と「あした」との間で皆さんが「ふと感じるかもしれない気持ち」を私なりに想いながら作詞・作曲したものです。詩がえがく情景や想いに共感してもらえたら、そして皆さんが、楽曲に自分の気持ちをこめて表現してもらえたら嬉しいです。
 表現・技術的なアドバイスは以下の5点になります。良かったら参考にしてみてください。
 1.ソプラノの主旋律と、所々に出てくるアルトと男声の副旋律は、なるべく標準的な日本語の高低アクセントに合うように作ってあります。この楽曲は歌ですが、詞が皆さんの自然な台詞としてあふれてくる様に歌うことができれば最高だと思います。
 2.楽譜中の「…」は、リピートや強調などの為に、詞が一旦途切れることを意味します。表現に工夫ができればいいですね。
 3.シンコペーションが多い曲です。歌と伴奏が、お互いに補完し合うようにリズムを感じましょう。急がなくても大丈夫。
 4.「nn…」は口を開いた「Nハミング」になります。口を閉じた「Mハミング」より音が良いので、こちらを使ってください。口や喉の空間が狭くならないよう気をつけましょう。
 5.譜面上の強弱やテンポを出発点として、よりよい表現、自分たちなりの表現を考えて演奏してもらえれば嬉しいです。

about the Commission and the Premiere

 This work was commissioned by the Ongaku-no Tomo Sha, and it was featured in "Kyoiku Ongaku 2011 November Issue" (Ongaku-no Tomo Sha: Tokyo Japan)

委嘱・初演に関して

 この作品は、音楽之友社の委嘱作品で、「教育音楽 中学・高校版 2011年11月号」の別冊付録に収録されました。